中国のドメイン情報(Whois)の調べ方|.cnドメインの読み方と、取得・運用で気をつけたい点

取引を検討している中国企業のサイトや、競合の中国語サイトを見つけたとき、「このドメインはいつから使われているのか」「本当にこの会社のものなのか」が気になることがあります。手がかりになるのが、ドメインの登録情報を照会できる Whois(フーイズ)です。

ただし、中国のドメイン、とくに .cn ドメインの Whois は、日本の .jp や .com とは照会先も表示も少し違います。この記事では、中国のドメインの Whois の調べ方、項目ごとの読み方、そして自社で .cn ドメインを取るときの注意点を説明します。

Whois で分かること・分からないこと

Whois は、ドメインの登録情報を公開で照会できる仕組みです。中国の「互联网域名管理办法」(工業情報化部令第43号、2017年11月施行)も、ドメインの登録サービス事業者に、登録情報を公開で照会できるサービスを提供するよう定めています。

照会で分かるのは、主に次のような情報です。

  • 登録日と有効期限
  • 登録を受け付けた事業者(レジストラ)
  • ドメインの状態(ステータス)
  • ネームサーバー(DNSの管理先)
  • 登録者の名前(公開されている場合)

一方で、登録者の住所・電話番号・メールアドレスなどの個人情報は、多くの場合は表示されません。同じ弁法は、登録事業者に利用者の個人情報を保護するよう求めています。また、.com などの汎用ドメインでも、個人で登録されたものを中心に、登録者の氏名やメールアドレスは「REDACTED FOR PRIVACY」のように伏せて表示されるのが一般的になっています。

つまり、Whois は「誰が持っているか」を確定させる道具というより、ドメインの年齢や管理の状態から、サイトの素性を推し量るための材料と考えるのが現実的です。

中国のドメインの照会先

.cn・.中国 ドメインは CNNIC で調べる

.cn と .中国 のドメインを管理しているのは、中国互联网络信息中心(CNNIC)です。IANA の登録情報でも、.cn の管理組織は CNNIC、Whois サーバーは whois.cnnic.cn とされています。

ブラウザから調べる場合は、CNNIC の Web 照会ページ(webwhois.cnnic.cn)を使います。入力するのは「example.cn」のようなドメイン名だけで、「https://」や「www.」は付けません。

.com など汎用ドメインは RDAP 対応の照会ツールで

中国企業でも、.com や .net のドメインを使っていることは珍しくありません。これらの汎用ドメインについては、ICANN が2025年1月28日から、従来の Whois に代えて RDAP(Registration Data Access Protocol)を正式な照会方法としました。ICANN の照会ツール(lookup.icann.org)などで調べられます。

なお、IANA の登録情報では、.cn には RDAP の照会先が登録されていません(2026年10月時点)。.cn は従来どおり CNNIC の Whois で調べます。

阿里云や腾讯云などの中国のクラウド事業者も、Whois の照会ページを提供しています。複数の照会先で結果が違うときは、.cn なら管理組織そのものの情報である CNNIC の結果を優先しましょう。

照会結果の読み方

登録日:サイトの「年齢」の目安

登録日(CNNIC の表示では Registration Time。RDAP の照会ツールでは Created などと表示されます)は、そのドメインがいつ取得されたかを示します。長年取引があると説明されている企業のサイトなのに、ドメインの登録日がごく最近という場合は、サイトを作り直した、ドメインを取り直したなどの理由を確認してもよいでしょう。登録日が古くても、途中で持ち主が変わっている可能性はあるため、それだけで信頼できるとは限りません。

有効期限:更新され続けているか

有効期限(CNNIC の表示では Expiration Time)が近いのに更新されていない場合は、サイトの運営が止まりかけている可能性もあります。自社のドメインであれば、期限切れで突然サイトが表示されなくなることがないよう、自動更新の設定を確認しておきましょう。

状態(ステータス):表示されないサイトの手がかり

状態の欄には、ドメインに掛かっている制限が英語のコードで表示されます。ICANN の解説による主な意味は次のとおりです。

表示 意味
ok 特別な制限がない通常の状態
clientTransferProhibited レジストラが他社への移管を止めている(乗っ取り防止のためによく設定される)
serverHold 管理組織(レジストリ)がDNSでの有効化を止めている。サイトは表示されない
clientHold レジストラがDNSでの有効化を止めている。サイトは表示されない
redemptionPeriod 削除の手続きに入っている。一定期間内なら復旧できる

.cn ドメインで serverHold になっている場合、レジストラの案内や中国のニュースサイトの解説では、実名認証が終わっていないことが主な理由として挙げられています。取引先のサイトが急に開かなくなったときは、まず Whois で状態を確認してみましょう。

ネームサーバー:どこで管理しているか

ネームサーバー(Name Server)からは、そのドメインのDNSをどの事業者で管理しているかが分かります。中国のクラウド事業者のDNSを使っていれば、中国国内のサービスで運用している可能性が高いと推測できます。サーバーの置き場所そのものではないので、あくまで目安として扱います。

登録者:表示されないことが多い

.cn ドメインの登録者欄は、個人の場合は「REDACTED FOR PRIVACY」のように伏せられて表示されることが多く、企業の場合は会社名が表示されることがあると紹介されています。また、腾讯云は CNNIC の方針に沿って、2026年4月10日から、同社の登録事業者で登録した .cn と .中国 について、Whois のプライバシー保護を無料で提供すると案内しています。有効にすると、登録者の欄は「该域名已采取 WHOIS 隐私保护服务」(WHOIS のプライバシー保護を利用している)という表示になります。

登録者が表示されないこと自体は珍しくなく、それだけで怪しいサイトと判断する必要はありません。運営主体を確かめたいときは、Whois ではなく、ICP備案の照会で主办单位(運営者)の名前を確認する方が確実です。方法は「ICP備案の確認方法」で、会社そのものの登記情報の調べ方は「中国企業の調査方法」で説明しています。

自社で .cn ドメインを取るときの注意点

実名認証が必須

CNNIC は、すべての .cn ドメインの登録に本人確認(実名認証)を求めています。阿里云の案内によると、個人はパスポートなど、法人は登記の証明書類を提出し、第三者機関の審査を受けます。審査は通常3〜5営業日とされ、中国本土以外の会社も、自国の登記証明書類で申請できるとしています。

個人は書類と完全に同じ氏名、法人は書類どおりの正式名称で登録する必要があります。書類は発行日から10日以上たってから提出するよう案内されているため、取り寄せる時期にも注意しましょう。実名認証が終わらないとドメインが serverHold となり、サイトが表示されないことがあります。

ICP備案で使うなら、中国のサービスで取る

中国本土のサーバーでサイトを公開するには、ICP備案が必要です。阿里云は、国際版のサイトで登録したドメインは ICP備案に使えないため、中国本土で使う場合は中国版のサイトでドメインを登録するよう案内しています。中国本土での公開を考えているなら、ドメインを取る段階から、備案を申請する予定の事業者と相談しておくとやり直しを防げます。サーバー選びとの関係は「中国向けサイトのサーバー選び」をご覧ください。

更新と移管の制限を知っておく

.cn ドメインには、移管(レジストラの変更)にも制限があります。GoDaddy の案内では、新規登録・移管・登録者の変更から60日間と、有効期限の15日前以降は移管できないとしています。期限切れのあとも一定期間は復旧できますが、追加の費用がかかることがあります。担当者の異動で更新が漏れることがないよう、契約しているレジストラと有効期限を社内で共有しておきましょう。

まとめ

  • Whois では、登録日・有効期限・状態・ネームサーバーなどが分かる。登録者の個人情報は伏せられていることが多い
  • .cn と .中国 は CNNIC(webwhois.cnnic.cn)、.com などは ICANN の照会ツールで調べる
  • 状態が serverHold や clientHold ならサイトは表示されない。.cn では実名認証の未完了が主な理由とされる
  • 運営主体の確認は Whois より ICP備案の照会の方が確実
  • 自社で .cn を取るなら、実名認証の書類の表記と、ICP備案を申請する事業者を先に確認しておく

SEOChinaでできること

SEOChina は、日本語で使える百度の順位チェックツールです。競合や取引先のドメインを調べたあと、そのサイトが百度でどのキーワードに表示されているかを、自社サイトと並べて毎日記録することもできます。

  • 登録したドメインとキーワードについて、百度PCの順位を毎日自動で記録します
  • 順位は50位まで取得し、ランクインしたURLも記録します
  • 期間を指定して推移を表やグラフで確認できます

Free プランは無料で、1ドメイン・日次順位監視10枠(履歴30日保存)から始められます。登録はこちらから行えます。

参考

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