百度百科・百度知道・百家号の使い方とSEO効果|社名で検索したときの結果を整える

中国の取引先や顧客は、初めて知った会社の名前を百度で検索して、どんな会社なのかを確かめることがよくあります。そのとき検索結果の上位に並ぶのは、自社サイトだけとは限りません。百度百科の項目、百度知道の質問と回答、百家号の記事など、百度自身が運営するサービスのページが目立つ位置に表示されることが多いからです。

この記事では、百度百科・百度知道・百家号の3つについて、それぞれが何のサービスで、日本企業が何をできるのか、何をしてはいけないのかを整理します。自社サイトの順位を上げる施策とは別に、「社名や製品名で検索されたときに、正しい情報が並ぶ状態」を作るための考え方として読んでください。

百度の検索結果では百度のサービスが目立つ

SEO分析ツールの Searchmetrics に在籍していた Marcus Pentzek 氏が1万件のキーワードで百度の検索結果を分析した調査(Search Engine Journal、2023年)によると、百度自身のサービスのページは、検索結果の上位10件のうち約35%を占めていました。2020年の約25%から増えており、1位に限ると約60%が百度のサービスだったとしています。

キーワードによって傾向は異なりますが、百度で上位を目指すときに、相手は他社のサイトだけではないということです。特に社名や製品名で検索されたときは、百度のサービス上の情報が、自社サイトより先に読まれる可能性があります。

まずは、自社の中国語の社名、ブランド名、主な製品名で百度を検索し、次の点を確かめてみましょう。

  • 1ページ目に自社サイトが表示されているか
  • 百度百科に自社や製品の項目があるか。ある場合、内容は正しいか
  • 百度知道に自社についての質問があるか。回答の内容は正しいか
  • 百家号などで、自社について書かれた記事が表示されているか

百度百科:誰でも編集できる百科事典

どんなサービスか

百度百科は、2006年に始まった百度のオンライン百科事典です。Wikipedia と同じく利用者が項目を作成・編集できる仕組みで、項目数は3,000万を超えるとされています。編集には実名登録をした百度アカウントが必要で、編集内容は審査を経て公開されます。

社名で検索したときに百度百科の項目が上位に表示されることがあり、中国の読者にとっては「その会社がどういう会社か」を知る最初の情報源になりがちです。

企業の項目を作るときのルール

百度百科には企業の項目の編集ガイドや、参考資料についての規定が公開されています。中国の解説記事によると、企業の項目で特に重視されるのは次の点です。

  • 第三者の資料で裏付ける:政府のサイト、全国的なメディアや業界メディアの記事、出版物などが参考資料として認められやすい
  • 自社サイトだけを根拠にしない:自社サイトで裏付けられるのは、所在地や設立年などの基本的な情報にとどまる
  • 自社の公式アカウントやSNSの記事は主な根拠にならない:WeChat の公式アカウントや動画サイトなど、個人や企業が自分で発信したメディアは、主要な参考資料としては認められにくい
  • 宣伝の表現を使わない:「業界トップ」「最高品質」のような宣伝的な言い回しや断定は、審査で通らない原因になる

つまり、百度百科は「自社の宣伝を書く場所」ではなく、「第三者が書いた情報に基づいて、会社の事実を中立にまとめる場所」です。中国のメディアで取り上げられた実績がほとんどない段階では、項目を作ろうとしても審査を通りにくいと考えておきましょう。

内容が間違っているとき

すでに自社の項目があり、内容が古い、または間違っている場合は、根拠となる資料を添えて編集を申請するか、百度百科の苦情・申し立ての窓口から修正を求める方法があります。社名の変更や本社の移転など、事実が変わったときは、それを示す公的な資料や報道を用意しておくと手続きが進めやすくなります。

なお、百度百科の編集を請け負う業者もありますが、百度は過去に、こうした有料の編集業者とは関係がないと表明しています。業者に依頼する場合も、宣伝的な内容を押し込むような編集は審査で落とされたり、後から修正されたりするおそれがあります。

百度知道:質問と回答のサービス

どんなサービスか

百度知道は、2005年に始まった質問と回答のサービスです。「○○はどの会社の製品がよいか」「○○の使い方は」といった質問がたくさん投稿されており、こうした質問のページが百度の検索結果に表示されることがあります。

企業が気をつけたいこと

百度知道では、広告にあたる投稿は削除の対象とされています。社員が質問者と回答者を装って自社の製品を勧めるような投稿は、宣伝と判断されて削除されるだけでなく、見つかったときに会社の評判を落とす原因にもなります。

企業としてできるのは、次のようなことです。

  • 自社についての質問を定期的に確認する:製品の使い方や購入方法についての質問に、誤った回答が付いていないかを見る
  • よくある質問への答えを自社サイトに用意する:百度知道で繰り返し聞かれている疑問は、検索されている疑問でもあります。自社サイトにFAQや解説ページを作ると、同じ疑問で検索した人を自社サイトに呼び込めます
  • キーワード選びの材料にする:質問に使われている言葉は、中国のユーザーが実際に使う言い回しです

百度知道には「知道合伙人」という公式の参加制度もあります。対象や条件は公式の案内で確かめてから検討してください。

百家号:百度の情報発信プラットフォーム

どんなサービスか

百家号は、百度が運営するコンテンツ配信プラットフォームです。個人、メディア、企業、政府・団体などがアカウントを作って記事や動画を投稿でき、投稿した記事は百度の検索結果や百度のアプリに表示されることがあります。

企業アカウントの条件

中国の解説記事によると、企業アカウントを作るには、中国の営業許可証(营业执照)と運営担当者の身分証明書が必要で、法人口座の確認、法定代表者の顔認証、公式の書面のいずれかの方法で認証を受けます。そのため、中国に現地法人がある企業は、現地法人の名義で申請することになります。中国に法人がない場合に開設できるかどうかは、公開されている情報からは確認できませんでした。

自社サイトへの誘導はできない

百家号の規約では、プラットフォームの許可なく、連絡先、QRコード、URLなどを記事に載せることが禁じられています。明らかな宣伝や、外部への誘導を目的とした投稿も禁止されており、中国の解説記事によると、2026年1〜3月だけで約23万件のアカウントが規約違反で処分されたとされています。

百家号は「自社サイトへのリンクを張る場所」ではなく、「業界の解説や導入事例など、読者の役に立つ記事で社名を知ってもらう場所」と考えるのが適切です。記事を読んで興味を持った人が社名で検索したときに、自社サイトや百度百科の項目が正しく表示されていれば、そこから問い合わせにつなげられます。

百度贴吧と百度文库

ほかにも、百度の検索結果でよく見かけるサービスに、百度贴吧(キーワードごとの掲示板)と百度文库(文書の共有サービス)があります。贴吧では製品名や業界名の掲示板で利用者が意見を交わしていることがあり、評判の確認に役立ちます。文库では業界の資料やマニュアルが共有されており、検索結果の上位に表示されることがあります。どちらも、まずは自社や製品についてどんな情報が載っているかを確認するところから始めるとよいでしょう。

自社サイトのSEOとの関係

これらのサービスは、自社サイトの被リンクを増やす手段としてはほとんど期待できません。百家号のように外部へのリンクを載せられないサービスもあり、リンクを載せられても順位を上げる効果は限られると考えられます。被リンクの考え方は「百度SEOの被リンク対策」で詳しく解説しています。

一方で、次のような形で自社サイトの集客を支えることはできます。

  • 社名・製品名の検索結果を整える:検索結果の上位に正確な情報が並ぶと、検索した人が安心して自社サイトを訪れやすくなります
  • 知ってもらうきっかけを増やす:百家号の記事などで社名を知った人が、指名検索で自社サイトにたどり着きます
  • 検索される疑問を知る:百度知道の質問は、自社サイトで答えるべき疑問の一覧として使えます

指名検索の結果がどう変わったかは、社名や製品名をキーワードとして登録し、自社サイトの順位を定期的に記録すると確かめやすくなります。順位の確認方法は「百度の順位チェック方法」、どの言葉で検索されているかの調べ方は「百度向けキーワード調査のやり方」で解説しています。

まとめ

  • 百度の検索結果では、百度自身のサービスのページが上位の約35%、1位の約60%を占めていたという調査がある
  • まずは中国語の社名・製品名で百度を検索し、どの情報が表示されているかを確かめる
  • 百度百科は第三者の資料に基づいて事実を中立にまとめる場所で、宣伝的な表現は審査で通らない
  • 百度知道では広告にあたる投稿は削除の対象。自社についての質問を確認し、答えを自社サイトに用意する
  • 百家号の企業アカウントには中国の営業許可証が必要で、記事にURLや連絡先は原則として載せられない
  • これらのサービスは被リンクの手段にはなりにくいが、指名検索の結果を整え、社名を知ってもらう場として使える

百度SEO全体の進め方は「百度SEOの基本」にまとめています。

SEOChinaでできること

SEOChina は、日本語で使える百度の順位チェックツールです。社名・ブランド名・製品名をキーワードとして登録すれば、指名検索で自社サイトが何位に表示されているかを毎日記録できます。

  • 登録したドメインとキーワードについて、百度PCの順位を毎日記録し、推移を表で確認できます
  • 順位は50位まで取得し、ランクインしたURLも確認できます
  • ICP備案・Whois・百度収録数の単発調査にも対応しています

Free プランは無料で、1ドメイン・日次順位監視10枠(履歴30日保存)から始められます。登録はこちらから行えます。

参考

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