中国の検索エンジンのシェア|百度・Bing・360・搜狗・神马の位置づけと、日本企業が対策すべき順番
「中国で検索といえば百度」とよく言われます。では、実際に百度はどのくらい使われていて、ほかの検索エンジンは無視してよいのでしょうか。中国向けのSEOを始めるときや、代理店から「百度以外にも対策が必要です」と提案されたときに、判断の材料になるのがシェアのデータです。
この記事では、中国の検索エンジンのシェアを公開データから整理し、PCとスマートフォンで違う利用の傾向、各検索エンジンの特徴、数字を読むときの注意点を解説します。最後に、日本企業がどの検索エンジンから対策を進めるとよいかを考えます。
中国で検索エンジンを使う人は約7.8億人
中国の公的機関である中国互联网络信息中心(CNNIC)の第57次統計報告によると、2025年12月時点で中国のインターネット利用者は11.25億人、そのうち検索エンジンの利用者は7.82億人で、インターネット利用者の69.5%にあたります。
同じ報告では、生成AIの利用者が6.02億人に達し、1年で3.5億人増えたとしています。検索の使われ方も「AIが答えをまとめる検索」へと変わりつつあり、検索エンジンの利用者は前年の8.78億人から7.82億人に減りました。それでも、規模はいまも非常に大きい状態です。
StatCounter のシェア(2026年9月)
検索エンジンのシェアとしてよく引用されるのが、アクセス解析サービスの StatCounter が公開しているデータです。2026年9月の中国のデータは次のとおりです。
| 検索エンジン | 全端末 | PC | スマートフォン |
|---|---|---|---|
| 百度(Baidu) | 46.65% | 28.32% | 60.15% |
| Bing | 21.76% | 41.27% | 7.36% |
| 360搜索(Haosou) | 12.26% | 21.63% | 5.46% |
| 搜狗(Sogou) | 2.61% | 1.50% | 3.42% |
| 1.46% | 1.93% | 1.13% |
この月のデータでは、ロシアの検索エンジン Yandex も全端末で約15%、スマートフォンで約22%と表示されています。中国国内で Yandex が広く使われているという話はほかのデータでは見かけず、集計の仕組みによる影響も考えられるため、表からは外しました。そのため、表の数字を合計しても100%にはなりません。
スマートフォンでは百度、PCでは Bing と360が強い
この表から読み取れるいちばん大きな特徴は、PCとスマートフォンで勢力図がまったく違うことです。
- スマートフォンでは百度が約6割を占め、ほかを大きく引き離しています
- PCでは Bing が約4割で最も多く、百度と360搜索が続きます
PCで Bing が百度を上回る傾向は以前から報じられており、中国メディアは2025年6月時点で Bing がPCのシェアで12か月連続1位になったと伝えています。オフィスのパソコンで Windows と Edge を使う人が多いことが背景にあると考えられます。
中国のインターネット利用はスマートフォンが中心のため、全体では百度が首位です。一方、業務中にPCで調べものをする法人向けの商材では、Bing と360搜索も無視できない存在といえます。
数字を読むときの注意点
StatCounter のデータは便利ですが、そのまま「中国の検索の何%」と受け取るには注意が必要です。
- 集計の対象が限られる:StatCounter のデータは、同社の計測タグを設置したサイトのページビューから集計されています。中国全体の検索回数や利用者数を数えたものではありません
- 月ごとの振れ幅が大きい:百度の全端末のシェアは、2025年11月には約64%と報じられていましたが、2026年9月は46.65%でした。1か月だけの数字で判断せず、数か月の推移で見るのが安全です
- アプリの中の検索は入らない:WeChat(微信)の「搜一搜」や、動画アプリの中の検索など、ブラウザを使わない検索はこのデータに含まれません
中国では、WeChat や動画アプリの中で情報を探す人も多いとされます。検索エンジンのシェアは「ブラウザで検索する場面」の目安と考えておきましょう。
主な検索エンジンの特徴
百度(Baidu)
中国最大の検索エンジンで、特にスマートフォンでの利用が多いのが特徴です。百度百科や百家号など百度自身のサービスが検索結果に多く表示されることも、ほかの検索エンジンとの違いです。百度の検索結果での自社サービスの扱いは「百度百科・百度知道・百家号の使い方とSEO効果」で解説しています。
Bing
Microsoft の検索エンジンで、中国本土でも利用できます。前述のとおりPCでの利用が多く、Windows の標準ブラウザ Edge の検索と結びついていることが強みです。中国メディアが引用した Statista のデータでは、2025年3月時点で、Bing の世界の検索トラフィックのうち約28%を中国が占めていました(その後、国別では米国が再び首位になっています)。
360搜索
セキュリティソフトで知られる奇虎360(Qihoo 360)が2012年に始めた検索エンジンです。同社のブラウザ(360安全浏览器)とあわせて使われることが多く、PCでのシェアが比較的高いのが特徴です。
搜狗(Sogou)
2021年に騰訊(Tencent)の完全子会社になりました。2022年には単独の検索アプリの提供を終えていますが、Webの検索は続いています。WeChat の公式アカウントの記事を検索できるサービスを提供してきた経緯があり、近年は WeChat の検索部門に搜狗の一部のチームが移ったと報じられています。
神马搜索(Shenma)
2014年に、スマートフォン向けブラウザ UC浏览器を手がける UC と阿里巴巴(Alibaba)が共同で始めたモバイル向けの検索エンジンです。UC は同年に阿里巴巴グループに入りました。StatCounter の上位には入っていませんが、UCブラウザの利用者を中心に使われています。
中国本土では、Google の検索サービスに通常の方法でアクセスできません。2010年に google.cn は香港版へ切り替えられ、その後、中国本土からは広く利用できない状態が続いています。日本で Google 向けに上位表示できていても、中国本土のユーザーには届かないと考えてください。
AI検索の広がり
2025年2月には、WeChat が DeepSeek のモデルを使ったAI検索を一部の利用者に試験的に公開し、百度も検索に DeepSeek と自社の「文心」のモデルを組み込むと発表しました。調査会社 QuestMobile の集計では、2026年6月時点で字節跳動(ByteDance)のAIアシスタントアプリ「豆包」の月間利用者は約3.8億人とされています。
AIが答えをまとめて表示する検索では、上位のページを開かずに疑問が解決する場面も増えます。それでも、AIが答えの根拠として参照するのは検索エンジンが収録しているWebページです。検索エンジンに正しく収録され、内容の信頼できるページを用意しておくことは、AI検索の時代でも土台になります。
日本企業はどこから対策すべきか
ここまでのデータを踏まえると、日本企業が中国向けのSEOに取り組むときの順番は、次のように考えるのが現実的です。
- まずは百度:全体でもスマートフォンでも最も使われており、中国向けSEOの中心です。百度搜索资源平台にサイトを登録し、収録と順位を確認するところから始めましょう(登録方法と使い方)
- PCで調べられる商材なら Bing:法人向けの製品やサービスでは、PCからの検索が多い可能性があります。Bing Webmaster Tools にサイトを登録しておくと、Bing での収録状況を確認できます
- 余力があれば360搜索と神马:360搜索には「360站长平台」、神马搜索には「神马站长平台」というサイト運営者向けのツールがあり、サイトマップの送信などができます
検索エンジンごとに評価の仕組みは異なりますが、表示が速く、内容が分かりやすく、正しく収録されるサイトは、どの検索エンジンでも評価されやすくなります。特定の検索エンジンだけに向けた細かな対策より、まずはサイトの基本を整えることが先です。百度SEOの全体像は「百度SEOの基本」にまとめています。
また、百度でもPCとスマートフォンでは順位が違うことがあります。スマートフォンのシェアが高いことを踏まえた順位の見方は「百度のPC順位とモバイル順位の違い」で解説しています。
まとめ
- 中国の検索エンジンの利用者は約7.8億人(CNNIC、2025年12月時点)
- StatCounter の2026年9月のデータでは、全端末で百度が約47%、Bing が約22%、360搜索が約12%
- スマートフォンでは百度が約6割、PCでは Bing が約4割と、端末によって勢力図が大きく違う
- StatCounter の数字は計測タグを設置したサイトのページビューが元で、月ごとの振れ幅が大きく、アプリ内の検索も含まない
- Google は中国本土では通常の方法で使えない
- 対策の順番は、百度を中心に、PCで調べられる商材なら Bing、余力があれば360搜索と神马
SEOChinaでできること
SEOChina は、日本語で使える百度の順位チェックツールです。中国で最も使われている百度での順位を、毎日自動で記録できます。
- 登録したドメインとキーワードについて、百度PCの順位を毎日記録し、推移を表で確認できます
- 順位は50位まで取得し、ランクインしたURLも確認できます
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現在対応している検索エンジンは百度PCで、百度モバイル・360搜索・搜狗・神马には今後対応予定です。Free プランは無料で、1ドメイン・日次順位監視10枠(履歴30日保存)から始められます。登録はこちらから行えます。
参考
- StatCounter Global Stats「Search Engine Market Share China」(全端末): https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/all/china
- StatCounter Global Stats「Search Engine Market Share China」(PC): https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/desktop/china
- StatCounter Global Stats「Search Engine Market Share China」(スマートフォン): https://gs.statcounter.com/search-engine-market-share/mobile/china
- CNNIC「第57次中国互联网络发展状况统计报告」(2026年): https://www.cnnic.cn/NMediaFile/2026/0304/MAIN1772588317069TUXN3827X8.pdf
- The Egg(中国の検索エンジンのシェアについての記事): https://www.theegg.com/seo/china/most-popular-search-engines-in-china
- 澎湃新闻(Bing の中国でのPCシェアについての記事、2025年): https://m.thepaper.cn/newsDetail_forward_31229048
- 新浪新闻(360搜索の開始についての記事、2012年): https://news.sina.com.cn/o/2012-08-21/185625008877.shtml
- 虎嗅(搜狗と騰訊の合併についての記事、2021年): https://m.huxiu.com/article/459067.html
- IT之家(搜狗搜索アプリの終了についての記事、2022年): https://www.ithome.com/0/634/739.htm
- 虎嗅(WeChat の検索と搜狗についての記事、2024年): https://m.huxiu.com/article/3440684.html
- 前瞻网(神马搜索の公開についての記事、2014年): https://www.qianzhan.com/indynews/detail/283/140429-391c77bf.html
- 中国新闻网(阿里巴巴による UC の買収についての記事、2014年): https://www.chinanews.com.cn/cj/2014/06-19/6297024.shtml
- C114通信网(WeChat と百度のAI検索についての記事、2025年): https://m.c114.com.cn/w5339-1283412.html
- 腾讯新闻(QuestMobile のAIアプリ利用者数についての記事、2026年): https://news.qq.com/rain/a/20260805A0E4JF00
- Wikipedia「Google China」: https://en.wikipedia.org/wiki/Google_China