百度向けキーワード調査のやり方|日本語を訳すだけでは足りない、中国語の検索語の選び方

中国語サイトを作るとき、日本語サイトで狙っているキーワードの一覧を翻訳会社に渡し、その訳語をそのまま中国語版のキーワードにしていないでしょうか。この方法は手早い反面、中国のユーザーが実際には使っていない言葉を狙ってしまう原因になりがちです。

百度で見つけてもらうには、「日本語で何と呼ぶか」ではなく「中国のユーザーが百度の検索窓に何と打ち込むか」から考える必要があります。この記事では、日本企業が百度向けのキーワードを選ぶときの手順と、無料で使える調べ方、選んだ後の優先順位の付け方を解説します。

翻訳したキーワードが外れやすい理由

1つの言葉に、中国語の言い方が複数ある

日本語や英語の1語に対して、中国語では似た意味の言い方がいくつもあることが珍しくありません。海外向けの解説では、英語の1語に3〜20通りの中国語の同義語がありうるとして、機械翻訳でキーワードを決めないよう注意を促しています。翻訳としては正しくても、検索される量が少ない言い方を選んでしまうことがあるのです。

同じ漢字でも意味や使われ方が違う

日本語と中国語は漢字を共有しているため、つい同じ言葉が通じると考えがちです。しかし、たとえば日本語の「手紙」は中国語では「信」と言い、中国語の「手纸」はトイレットペーパーを指します。「見積もり」は中国語では「报价」と表現するのが一般的です。日本語の漢字をそのまま並べても、中国語として自然な検索語にはなりません。

簡体字と繁体字、地域による言い回しの差

中国本土で使われるのは簡体字です。台湾・香港向けの繁体字の資料を変換して使う方法もありますが、地域によって言葉の選び方そのものが違うことがあり、文字を置き換えるだけでは不十分だとされています。

社名・製品名の中国語表記が定まっていない

日本ではカタカナやアルファベットで知られている社名や製品名も、中国では中国語の名称で検索されることがあります。自社の中国語名が決まっていない、あるいは代理店や販売店ごとに表記が違うと、指名検索の受け皿が分散してしまいます。キーワード調査の前に、社名・ブランド名・主要製品名の中国語表記を社内で統一しておきましょう。

百度向けキーワード調査の手順

ここからは、実際の進め方を6つのステップで紹介します。

ステップ1:日本語で「テーマ」を洗い出す

最初は日本語で構いません。ただし、キーワードそのものではなく、中国の顧客がどんな場面で、何を探しているかというテーマを書き出します。

  • 製品・サービスの種類(例:産業用ポンプ、業務用の計量器)
  • 用途や業界(例:食品工場、半導体製造)
  • 顧客が抱える悩み(例:故障が多い、精度が出ない)
  • 比較・選定の場面(例:メーカーの比較、価格の相場)

ステップ2:中国語の候補を複数集める

テーマごとに、中国語の言い方の候補を複数集めます。訳語を1つに決めず、思い付く表現をできるだけ並べるのがポイントです。候補の集め方には、次のようなものがあります。

  • 中国の拠点や販売店、中国語を母語とするスタッフに「現地では何と呼ぶか」を聞く
  • 同業の中国企業のサイトで、製品名や見出しにどんな言葉が使われているかを見る
  • 百度百科で該当する項目を探し、項目名や本文中の言い換えを拾う

海外向けの解説でも、キーワード調査は中国語を母語とする人が関わるべきだと強調されています。

ステップ3:百度の検索候補と関連検索で実際の言い方を確かめる

候補が集まったら、百度で実際に検索してみます。

  • 検索候補(下拉框): 検索窓に入力すると表示される候補です。多く検索されている組み合わせのヒントになります。
  • 関連検索(相关搜索): 検索結果ページの下部に表示される、関連する検索語です。

たとえば「报价」や「价格」「厂家」「哪家好」などがどのような言葉と組み合わせて検索されているかを見ると、ユーザーが比較・検討の段階で使う言い回しが見えてきます。日本からの検索では結果が中国国内と異なる場合もありますが、言葉の候補を集める用途には十分役立ちます。

ステップ4:百度指数で需要の大きさと推移を比べる

「百度指数」は、百度での検索の関心度を推移で見られる無料のツールで、Google トレンドに近いものです。百度アカウントがあれば使えます。主に次のような情報を確認できます。

  • 趋势研究: キーワードの検索指数の推移。PC とモバイルを分けて見られます
  • 需求图谱: そのキーワードと一緒に関心を持たれている関連語
  • 人群画像: 検索している人の地域分布や属性

注意したいのは、百度指数の数値は検索回数そのものではなく、検索頻度をもとに重み付けして算出した指数だという点です。「月に何回検索されているか」を示す数字として使うのではなく、候補同士の大小比較や、季節による増減を見る目的で使うのが適切です。

また、検索量が少ないキーワードは百度指数に収録されておらず、データが表示されないことがあります。B2B の専門的な製品名ではよくあることなので、表示されなくても「需要がまったくない」とは限りません。その場合は、上位の概念にあたる言葉の指数を見て、市場全体の関心の動きをつかむ使い方ができます。

ステップ5:关键词规划师で検索量の目安と関連語を広げる

百度の検索広告(百度营销の搜索推广)には、「关键词规划师」というキーワード調査ツールがあります。入力した語に関連するキーワードの候補と、検索量の目安や競争の激しさなどを確認できます。

ただし、利用には百度の検索広告アカウントが必要です。海外向けの解説では、アカウントの開設には中国の事業者登録が求められ、海外企業は広告代理店経由で利用する方法があるとされています。データを見るには、出稿中の広告アカウントが必要とする解説もあります。すでに百度広告を出している、または代理店と取引がある場合は、代理店に調査を依頼するのも1つの方法です。

ステップ6:検索意図で分類し、優先順位を付ける

集めたキーワードは、検索している人の目的で分類します。

分類 検索している人の状態 中国語の例 向いているページ
情報収集 仕組みや選び方を知りたい 「〇〇是什么」「〇〇原理」「〇〇怎么选」 解説記事、技術資料
比較・検討 候補を比べたい 「〇〇哪家好」「〇〇品牌」「〇〇厂家」 製品一覧、導入事例
価格・購入 費用感を知りたい、問い合わせたい 「〇〇价格」「〇〇报价」 製品ページ、問い合わせページ
指名 特定の会社や製品を探している 社名・ブランド名の中国語表記 トップページ、会社概要

分類したら、次の観点で優先順位を付けます。

  • 事業との近さ: 検索した人が自社の顧客になりうるか
  • 需要の大きさ: 百度指数や关键词规划师で見た相対的な大きさ
  • 検索結果の顔ぶれ: 上位が大手のポータルや百度の自社サービス(百度百科・百度知道など)、広告で埋まっていないか
  • 自社で書ける内容か: そのキーワードに答えるページを、自社の知見で作れるか

需要が大きい一般的な言葉ほど競争も激しくなります。立ち上げ期は、用途や業界を組み合わせた具体的な言葉(ロングテール)から上位を狙い、実績を積みながら広い言葉に広げていくのが現実的です。

選んだキーワードは「順位を記録して」初めて生きる

キーワード調査は、一度選んで終わりではありません。選んだキーワードで実際に何位に表示されているかを記録し、ページを公開・改善した結果がどう変わったかを見て、狙いを調整していきます。

  • 公開から数か月たっても圏外のままなら、言い方の選び方や、ページの内容が検索意図に合っているかを見直す
  • 想定していなかったページが上位に出ているなら、そのページを強化するか、狙いを整理する
  • 百度搜索资源平台の「流量与关键词」で、実際に表示された言葉を確認し、新しい候補に加える

百度搜索资源平台の使い方は「百度搜索资源平台の登録方法と使い方」、順位の測り方と記録のしかたは「百度の順位チェック方法」で詳しく解説しています。

まとめ

  • 日本語キーワードの翻訳だけで決めると、中国のユーザーが使わない言い方を狙ってしまいやすい
  • 社名・製品名の中国語表記を先に統一し、テーマごとに中国語の候補を複数集める
  • 百度の検索候補と関連検索で、実際に使われている言い回しを確かめる
  • 百度指数は検索回数ではなく重み付けした指数なので、候補同士の比較や推移の確認に使う
  • 关键词规划师は検索広告アカウントが必要。代理店経由での利用も検討する
  • 検索意図で分類し、事業との近さ・需要・競合・自社で書けるかで優先順位を付ける
  • 選んだキーワードは順位を記録し、結果を見ながら見直す

百度SEO全体の進め方は「百度SEOの基本」にまとめています。

SEOChinaでできること

SEOChina は、日本語で使える百度の順位チェックツールです。調査で選んだキーワードを登録すれば、狙いどおりに順位が付いているかを毎日確認できます。

  • 登録したドメインとキーワードについて、百度PCの順位を毎日記録し、推移を表で確認できます
  • 順位は50位まで取得し、ランクインしたURLも確認できます
  • ICP備案・Whois・百度収録数の単発調査にも対応しています

Free プランは無料で、1ドメイン・日次順位監視10枠(履歴30日保存)から始められます。まずは優先度の高いキーワードから登録してみてください。登録はこちらから行えます。

参考

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