百度のモバイル対応の進め方|MIPは終了、サイトの作り方の選び方と移动适配・落地页体验の要点

「百度のモバイル対応にはMIPが必要」「スマホサイトを作ったら百度に登録しないといけない」。中国向けサイトのリニューアルを相談すると、こうした話を聞くことがあります。ところが、百度のモバイル向けの仕組みはこの数年で大きく変わっていて、古い情報のまま進めると、いまは不要な作業に手間をかけることになりかねません。

この記事では、百度向けのモバイル対応で「いま何をすればよいか」を、サイトの作り方の選び方、百度への伝え方、ページの作りの順に説明します。PCとスマホで順位がどう違うかは「百度のPC順位とモバイル順位の違い」で解説しているので、あわせてご覧ください。

まず知っておきたい:MIPは2022年に終了した

MIP(Mobile Instant Pages)は、百度が進めていたモバイルページの高速化の仕組みです。専用の書き方でページを作ると、百度のキャッシュから素早く表示される、というものでした。数年前の中国SEOの解説では、モバイル対応の定番として紹介されていました。

しかし百度は2022年9月、MIPのサービスを同年10月に終了すると発表しました。終了の理由として、サイト自身の技術が向上し、MIPで最適化する必要がなくなったことを挙げています。検索結果に表示されていたMIPのURLは、MIPに対応する前の元のURLに自動で戻るとされています。

つまり、これから中国語サイトを作る場合、MIPに対応する必要はありません。 代理店の提案書にMIP対応が入っていたら、内容が古くないか確かめましょう。過去にMIP専用のページを作ったサイトでは、通常のモバイルページへ301リダイレクトでまとめる方法が、中国の解説記事で紹介されています。

サイトの作り方は3つ

スマートフォン向けのページの作り方には、大きく分けて次の3つがあります。

作り方 仕組み 百度への伝え方
レスポンシブ PCとスマホで同じURL・同じHTMLを使い、画面の幅に合わせて表示を変える 基本的に特別な設定はいらない
同じURLで出し分け 同じURLで、アクセスした端末に応じて違うHTMLを返す 百度のスマホ用クローラーにスマホ用のHTMLが返るかを確かめておく
別URLのスマホサイト m.example.cn のように、スマホ用に別のURLのページを用意する PCページとスマホページの対応関係を百度に伝える(移动适配)

日本企業の中国語サイトで、新しく作るなら、多くの場合はレスポンシブが最も手間がかかりません。URLが1つなので、評価がPCとスマホで分かれず、更新も1か所で済みます。

一方、すでに別URLのスマホサイトを持っている場合や、PCとスマホで見せる内容を大きく変えたい場合は、別URLの構成になります。この場合は、次に説明する移动适配が必要になります。

別URLのスマホサイトなら「移动适配」で対応関係を伝える

移动适配とは

移动适配は、百度搜索资源平台にある機能で、PCページとそれに対応するスマホページの組み合わせを百度に伝えるものです。百度が対応関係を確認できると、スマホで検索したユーザーに、PCページではなく対応するスマホページを表示できるようになります。

伝え方には2つの方法があります。

  • 規則適配(ルール):PCとスマホのURLに決まった対応関係がある場合に、正規表現でまとめて伝える方法。今後作るページにも同じ規則が当てはまる
  • URL適配:PCとスマホのURLの組み合わせを1件ずつ一覧にして提出する方法

中国の解説記事では、URLの対応に規則性があるなら、新しいページにも使える規則適配がすすめられています。たとえば www.example.cn/products/123.html と m.example.cn/products/123.html のように、ドメイン以外が同じ構成にしておくと、規則で伝えやすくなります。

注意したいこと

移动适配では、PCページとスマホページの主な内容が同じであることが求められます。スマホ版だけ製品の説明を大幅に省くと、主な内容が同じとはいえず、検証を通らない可能性があります。

ページの中に対応関係を示す記述を入れる方法もあります。中国の解説記事では、PCページに applicable-device で「PC向けのページであること」と、mobile-agent でスマホページのURLを、スマホページに applicable-device で「スマホ向けのページであること」を書く例が紹介されています。

百度搜索资源平台の登録方法は「百度搜索资源平台の登録方法と使い方」で説明しています。

ページの作りで押さえたいこと

サイトの作り方を決めたら、次はページそのものの使いやすさです。百度は、モバイル検索から訪れたページ(落地页)に求める体験を「百度移动搜索落地页体验白皮书」としてまとめ、改定を重ねてきました。2018年の4.0について、中国の解説記事では次のような内容が紹介されています。

  • 表示速度:ページ全体は3秒以内、最初に見える画面(首屏)は1.5秒以内に読み込む
  • 文字と配置:本文の文字は10ポイント以上。最初の画面で主な内容が画面の半分以上を占める
  • 広告:浮遊する広告、ポップアップ、画面全体を覆う広告は使わない。記事ページでは本文が終わるまで広告を入れない
  • アプリへの誘導:アプリの自動起動やダウンロードの強制をしない。コメントや全文表示のためにアプリのインストールを求めない
  • 問い合わせボタン:1ページに1つまでで、ユーザーの操作なしに自動で開かない

2017年の闪电算法については、モバイルページが2秒以内に表示されると優遇され、3秒を超えると評価が下がりうるとも紹介されています(中国向けサイトのサーバー選び)。細かな数字は資料や版によって違いますが、方向性は一貫しています。「スマホで開いたとき、すぐに、邪魔されずに、探していた内容が読めるか」です。こうした体験が悪いページは、モバイルの使いやすさを見る冰桶算法の対象にもなりえます(百度の主なアルゴリズム一覧)。

日本企業のサイトで起こりがちな問題

日本の本社サイトをもとに中国語サイトを作ると、次のような問題が起こりがちです。

  • チャットや問い合わせのウィジェットが本文を隠す:日本で使っているチャットツールが、スマホの画面下を大きく覆ってしまう
  • 開いた直後のポップアップ:資料請求やメールマガジンのポップアップが、最初の画面を覆う
  • 海外のフォントやスクリプトで表示が遅い:Googleのフォントや海外の計測タグなど、中国から読み込みにくいものが入っていると、表示が止まったり遅れたりする
  • 画像が重い:PC用の大きな製品画像を、スマホにもそのまま読み込ませている
  • スマホ版で情報が足りない:スマホでは仕様表や会社概要が省かれ、PC版と内容が違ってしまう

表示速度とサーバーの関係は「中国向けサイトのサーバー選び」で詳しく説明しています。

対応できているかを確かめる

最後に、対応の状況を確かめる方法です。

  1. 実機で見る:スマホのブラウザで m.baidu.com から検索したり、百度アプリで開いたりして、主なページを確かめる。可能であれば中国本土の回線で確認する
  2. 百度搜索资源平台で見る:別URLのスマホサイトなら、移动适配の検証の状況を確認する。「抓取诊断」で、百度がページを取得できているかも確かめる
  3. 順位の変化を見る:対応の前後で、主なキーワードの順位が変わったかを記録しておく

モバイルとPCで順位の出方が違うことはよくあります。モバイルの順位は、端末や地域をそろえて定期的に確かめるのが基本です。手順は「百度のPC順位とモバイル順位の違い」で紹介しています。

まとめ

  • MIPは2022年10月に終了した。新しく作るサイトでMIPに対応する必要はない
  • 新しく作るなら、URLが1つで済むレスポンシブが手間が少ない
  • 別URLのスマホサイトでは、百度搜索资源平台の移动适配でPCとスマホの対応関係を伝え、主な内容をそろえる
  • 落地页体验白皮书が示すとおり、表示の速さ、読みやすさ、邪魔な広告やアプリ誘導がないことが大切
  • 日本のサイトから流用したウィジェットやポップアップ、海外のフォントには特に注意する

SEOChinaでできること

SEOChina は、日本語で使える百度の順位チェックツールです。モバイル対応やリニューアルの前後で、検索結果での位置がどう変わったかを記録できます。

  • 登録したドメインとキーワードについて、百度PCの順位を毎日自動で記録します
  • 順位は50位まで取得し、ランクインしたURLも記録するので、リニューアルでURLが変わったときに、新しいURLが表示されているかを確かめられます
  • 期間を指定して推移を表やグラフで確認でき、作業の前後を比べられます(Free プランは直近30日分。有料プランは履歴を期間の制限なく保存できます)

Free プランは無料で、1ドメイン・日次順位監視10枠(履歴30日保存)から始められます。登録はこちらから行えます。

参考

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