百度のリスティング広告とSEOはどちらから始めるべきか|費用・条件・向いている場面を比べる

中国向けの集客を百度で始めるとき、最初に迷うのが「広告を出すか、SEOに取り組むか」です。広告ならすぐに検索結果の上に出せますが、費用は出稿を続けるかぎりかかります。SEOは費用を抑えやすい一方で、成果が出るまで時間がかかります。

日本の検索広告と同じ感覚で考えると、百度ではつまずくことがあります。海外企業が広告を出すには、日本にはない条件があるからです。この記事では、百度の検索広告とSEOの違いを整理し、どんな会社がどちらから始めるとよいかを考えます。

百度の検索結果で、広告と自然検索はどう違うか

百度で言葉を検索すると、結果の上部や下部に、検索広告が表示されることがあります。百度の広告サービスは「百度营销」と呼ばれ、検索連動型の広告は「搜索推广」と呼ばれます。中国では、入札額で順位が決まるこの仕組みを「竞价排名」とも言います。

広告の表示には法令のルールがあります。2023年5月1日に施行された「互联网广告管理办法」の第9条は、竞价排名の商品やサービスについて、「广告」と目立つように表示し、自然な検索結果とはっきり区別するよう求めています。

百度の広告には、過去に大きな問題が起きた経緯もあります。2016年、医療広告をめぐる事件(魏则西事件)を受けて、国家网信办などの合同調査組が百度を調査しました。同年5月9日に公表された結果では、医療などの広告の整理、支払額だけで順位を決めない仕組みへの変更、広告への目立つ表示とリスクの注意書き、1ページの広告の割合を30%以下に抑えることなどが求められました。

このように、百度の広告は「お金を払えば何でも上に出せる」ものではありません。業種によっては審査が厳しく、過去には画面に出せる広告の量についても当局から要求が出されています。

広告とSEOの違いを比べる

広告とSEOの主な違いを表にまとめます。

比べる点 検索広告(搜索推广) SEO(自然検索)
費用のかかり方 クリックされるごとに課金される 制作や改善の費用が中心で、クリックごとの費用はない
表示されるまで 審査が通れば、すぐに出せる 収録と評価に時間がかかり、時期は読みにくい
やめたとき 出稿を止めると表示もすぐ止まる 広告のように即座に消えるわけではないが、放置すると下がることもある
始めるための条件 中国の事業者情報、または百度認定の代理店経由での開設が必要 中国の法人がなくても始められる
狙える言葉 予算しだいで、競争の激しい言葉にも出せる 競争の激しい言葉ほど時間がかかる
画面での見え方 「广告」の表示がつく 表示はつかず、自然な検索結果として出る

SEOで上位を取っても、画面の上の方は広告や百度自身のサービスに占められていることがあります。とくにスマートフォンではその傾向が強くなります。画面の違いは「百度のPCとモバイルの違い」で解説しています。

海外企業が百度に広告を出すための条件

日本企業にとって大きな違いは、広告アカウントの開設に条件があることです。中国向けのマーケティング支援会社 AppInChina の解説(2026年7月)では、次のように説明されています。

  • 直接開設する場合:中国本土の営業許可(営業執照)が必要で、アカウントに登録した主ドメインと、広告のリンク先のドメインが一致している必要がある
  • 中国に法人がない場合:百度が認定した現地の代理店を通して開設する
  • 必要書類:アカウントを開く中国の事業者について、営業許可、法定代表者の身分証明、法人の銀行口座の証明など。営業許可の経営範囲が、広告する内容と合っている必要もある。教育・食品・医療・金融などでは、業種ごとの許可証も求められる
  • 最初の入金:直接開設で5,000元から、代理店経由で6,000元から(代理店の手数料1,000元を含む)とされる
  • リンク先のページ:中国本土のサーバーで公開するならICP備案が必要で、備案の名義が営業許可と合わないと審査で落ちることがある

入金額や審査の細かい条件は、代理店や時期によって変わる可能性があります。実際に申し込む前に、代理店に最新の条件を確認しましょう。ICP備案については「ICP備案の確認方法」、SEOを代理店に任せる場合の選び方は「中国SEO代理店の選び方」で解説しています。

広告から始めるのが向いている場面

次のような場合は、広告から始める意味があります。

  • 期限のある施策:展示会や新製品の発売など、決まった時期に問い合わせを集めたい
  • 反応を早く確かめたい:どの言葉で検索されるか、どの訴求で問い合わせが来るかを、短い期間で試したい
  • 競争の激しい言葉に出たい:大手やポータルが上位を占めていて、SEOで追いつくのに時間がかかる
  • 条件がそろっている:中国の法人や代理店があり、ICP備案済みの中国語ページを用意できる

広告の画面では、検索量の目安を調べる「关键词规划师」も使えます。キーワードの調べ方は「百度向けキーワード調査のやり方」で解説しています。

SEOから始めるのが向いている場面

一方で、次のような場合はSEOから始めるほうが現実的です。

  • 中国に法人がなく、代理店とも取引がない:広告の開設には手間と費用がかかる
  • 予算が限られている:クリックごとの費用を払い続けるより、ページを整えるほうに予算を回したい
  • 社名や製品名で検索されたときに備えたい:指名検索で公式の情報が出るようにしたい
  • 長く使う情報を積み上げたい:会社どうしの取引(B2B)のように、仕様や事例を時間をかけて比べられる商材

SEOの基本的な進め方は「百度SEOの基本」、中国語ページの作り方は「簡体字サイトの作り方」で解説しています。

両方を使うときの進め方

予算と条件がそろっているなら、広告とSEOを組み合わせるのが効率的です。たとえば次のような順番が考えられます。

  1. SEOの土台を作る:中国語の公式ページを用意し、百度に収録されるようにする
  2. 広告で反応を確かめる:短い期間だけ広告を出し、問い合わせにつながる言葉を見つける
  3. 反応のよい言葉をSEOで狙う:その言葉に合うページを作り込み、順位を記録していく
  4. 広告の出し方を見直す:自然検索で安定して上位に出るようになった言葉は、広告の予算を減らせないか検討する

4つめの判断には、自然検索の順位を継続して記録しておくことが欠かせません。広告を止めたあとに順位が下がっていないかも、同じ記録で確かめられます。

判断に迷ったときの3つの質問

最後に、どちらから始めるかを決めるための質問をまとめます。

  • 中国の法人か、取引できる代理店はあるか:ないなら、まずSEOから
  • 成果が必要な時期は決まっているか:数か月以内に問い合わせが必要なら、広告も検討する
  • 狙う言葉の競争は激しいか:検索結果の上位が大手や広告で埋まっているなら、SEOだけでは時間がかかる

まとめ

  • 百度の検索広告は「广告」と表示することが法令で決まっていて、2016年には当局から広告の割合を30%以下にするよう求められた
  • 広告はすぐに出せるが、中国の営業許可か百度認定の代理店が必要で、業種ごとの審査もある
  • SEOは中国の法人がなくても始められるが、成果が出るまで時間がかかる
  • 条件がそろえば、広告で反応を確かめ、反応のよい言葉をSEOで狙う組み合わせが効率的
  • どちらの場合も、自然検索の順位を記録しておくと判断がしやすくなる

SEOChinaでできること

SEOChina は、日本語で使える百度の順位チェックツールです。SEOから始める場合も、広告と組み合わせる場合も、自然検索での順位の変化を毎日の記録で確かめられます。

  • 登録したドメインとキーワードについて、百度PCの順位を毎日自動で記録します
  • 順位は50位まで取得し、ランクインしたURLも記録します
  • 広告を出した期間と止めた後など、期間を指定して順位の推移を表やグラフで比べられます(有料プランは期間の制限なく保存します)

Free プランは無料で、1ドメイン・日次順位監視10枠(履歴30日保存)から始められます。登録はこちらから行えます。

参考

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