クライアント向け百度順位レポートの作り方|毎日の順位データを1か月分の報告にまとめる手順とテンプレート
百度のSEOを請け負うと、毎月「今月はどうだったか」をクライアントに報告することになります。ところが、順位を毎日記録していても、1か月で約30日分、キーワードが50語なら1,500件の数字が並ぶだけでは報告になりません。日本の担当者は百度の画面を見慣れていないことも多く、数字の意味から説明が必要になる場面もあります。
この記事では、順位レポートを作る側の目線で、毎日の順位データを月次の報告にまとめる手順を説明します。最後に、そのまま使える構成のテンプレートも載せています。レポートを受け取る企業がどこを確認すべきかは「中国SEO代理店の選び方」で解説しているので、あわせて読むとクライアントの視点もつかめます。
作り始める前に決めておく3つのこと
レポートの作り方より先に、次の3点をクライアントと合意しておくと、毎月の報告がぶれません。
- 計測の条件:どの検索エンジンの、どの端末の順位か(例:百度PC)。何位まで調べるか、毎日何時ごろ計測するか
- キーワードの一覧とグループ:報告の対象にするキーワードと、「社名・ブランド」「製品名」「課題・悩み」などのグループ分け
- 報告の単位:月次か週次か。月の途中で施策をしたときに、どこから効果を見るか
特に1は、クライアントが自分で百度を検索したときに順位が違って見える原因になりやすい項目です。百度の順位は検索した地域や端末、検索履歴によって変わることがあります。PCとスマートフォンでも結果は同じとは限りません(百度のPC順位とモバイル順位の違い)。レポートの冒頭に毎回、計測の条件を書くことを決めておきましょう。
毎日の順位から「その月の順位」を決める
毎日記録した順位を月の数字にまとめる方法は、主に3つあります。
| 方法 | 内容 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 月末の順位 | 月の最終日の順位をそのまま使う | 集計が簡単。ただしその日だけの上下に左右される |
| 中央値 | その月の順位を並べたときの真ん中の値 | 一時的な急落や急上昇の影響を受けにくい |
| 平均値 | その月の順位の平均 | 圏外の日があると計算できないため、扱いを決めておく必要がある |
おすすめは、主な数字に中央値を使い、月末の順位を参考として並べる方法です。百度の順位は日によって数位動くことがあり、月末の1日だけで「今月は5位下がった」と報告すると、翌月には元に戻っていた、ということが起こりがちです。どの方法を選んでも、毎月同じ方法で計算することが一番大切です。
圏外の扱いを先に決める
計測した範囲(たとえば50位)に入らなかった日は、順位の数字がありません。平均を出すときにこの日を除くと、圏外の日が多いキーワードほど平均がよく見えてしまいます。
よく使われるのは、圏外を「計測範囲+1位」(50位まで調べているなら51位)として計算する方法です。ただし、これは計算のための仮の数字なので、レポートには「圏外の日は51位として計算」と注記し、圏外だった日数も別に書いておくと誤解を防げます。中央値が51位になった場合は、表では「圏外」と表記しましょう。
また、エラーなどで計測できなかった日は圏外とは別物です。51位とはせずに計算から除き、その日数も注記します。
キーワード全体の動きを示す指標
キーワードが多いと、1語ずつの順位だけでは全体の傾向が伝わりません。全体の動きは、次のような指標でまとめると分かりやすくなります。
- 順位の分布:1〜3位、4〜10位、11〜20位、21〜50位、圏外のそれぞれに何語あるか。前月と並べると、上位に移った語の数がひと目で分かります
- 上位10位以内のキーワード数:百度のPCでは1ページ目に表示される自然検索の結果が10件前後とされ、「1ページ目に何語あるか」の目安として使いやすい数字です
- 上昇・下落・新規ランクイン・圏外落ちの数:前月と比べて、順位が上がった語、下がった語、新しく計測範囲に入った語、圏外に落ちた語の数
海外のSEOツールでは、クリックされやすさを順位ごとに重み付けした「Visibility(可視性)」のような指標も使われています。たとえば Semrush は、順位ごとのクリック率をもとにした可視性を使い、平均順位が同じ2つのサイトでも、1位のキーワードを持つサイトのほうが可視性は高くなる例を挙げています。自前で重み付けを決めるのは難しいので、まずは順位の分布と上位10位以内の数から始めるのが現実的です。
順位以外に添えたいデータ
順位だけのレポートは、「順位は上がったが、問い合わせは増えたのか」という質問に答えられません。百度のデータを添えると、順位の変化が集客につながっているかを示しやすくなります。
百度搜索资源平台の「流量与关键词」
百度搜索资源平台の「流量与关键词」では、自社サイトが百度の検索結果に表示された回数(展现量)、クリックされた回数(点击量)、クリック率(点击率)を、検索語やページごとに確認できます。順位が上がったキーワードで表示回数やクリック数も増えていれば、施策の効果として説明しやすくなります。
注意したいのは、ここに出てくるのは実際に検索結果に表示された語が中心で、狙っているキーワードの順位を決まった条件で毎日記録するものではない点です。順位の記録と資源平台のデータは、役割の違うものとして並べましょう。資源平台の登録方法は「百度搜索资源平台の登録方法と使い方」で解説しています。
2026年9月には、百度の検索結果に表示されるAIの回答で自社のページが引用された回数などを確かめる「AI流量分析」の機能が案内されました。段階的に提供されているとされ、2026年9月の時点ではデータの提供はまだ始まっていないと報じられていました。使えるようになっていれば、AIの回答での引用の状況を添えるのもよいでしょう。
収録数と、サイトへの流入
百度にどれだけのページが収録されているか(百度の収録数の確認方法)や、アクセス解析ツールで見た百度からの流入数も、順位の背景を説明する材料になります。なお、百度は2015年に、検索結果からサイトへ移るときに検索語を渡す仕組みを順に廃止すると発表しています。そのため、一般的なアクセス解析ツールでは百度の検索語が分からないことが多く、検索語ごとの数字は資源平台で確認するのが基本です。
変動のコメントの書き方
数字の次に大切なのが、変動の理由についてのコメントです。日本のクライアントが知りたいのは「なぜ動いたのか」「次に何をするのか」です。
- 事実と推測を分ける:「〇日にタイトルを変更した(事実)」「その後の上昇はこの変更の影響と考えられる(推測)」のように書き分ける
- 自社の施策と外部の要因を分ける:自社が何もしていないのに多くの語が一斉に動いたときは、百度側の変化や競合の動きも考えられます
- ランクインしたURLも見る:順位が同じでも、表示されるページがトップページから製品ページに変わっていれば、それ自体が報告すべき変化です
- 次月の施策と結びつける:下がった語については、何を確かめ、何をするかまで書く
順位が大きく下がったときは、慌てて施策を変える前に、計測の条件が変わっていないか、下がったのが特定のページだけかサイト全体かを順に確かめましょう。
そのまま使える構成のテンプレート
月次レポートは、次の6つの構成にすると、毎月同じ流れで作れます。1〜2は1ページにまとめ、忙しい担当者がそこだけ読んでも状況が分かるようにするのがポイントです。
1. 今月のまとめ(3行程度)
- 全体の傾向:上位10位以内 〇語(前月比 +〇語)
- 主な成果:「〇〇」が〇位 → 〇位
- 来月の重点:〇〇
2. 計測の条件
- 検索エンジン・端末:百度PC
- 計測範囲・頻度:50位まで・毎日
- 月の順位の計算方法:中央値(圏外の日は51位として計算、計測できなかった日は除外)
3. 全体の動き
- 順位の分布(1〜3位 / 4〜10位 / 11〜20位 / 21〜50位 / 圏外)の前月比
- 上昇・下落・新規ランクイン・圏外落ちの語数
4. キーワード別の順位(グループごと)
| キーワード | 今月(中央値) | 前月(中央値) | 月末の順位 | ランクインURL | メモ |
5. 百度のデータ
- 流量与关键词:表示回数・クリック数・クリック率の前月比
- 収録数の推移
6. 今月の施策と来月の予定
- 実施した施策(日付つき)
- 変動についての所見
- 来月の施策
日本語のレポートでも、キーワードは中国語のまま載せ、必要に応じて日本語の意味を添えると、クライアントの社内で共有しやすくなります。キーワードの選び方や訳し方は「百度向けキーワード調査のやり方」を参考にしてください。
まとめ
- 計測の条件、キーワードのグループ、報告の単位を最初にクライアントと合意する
- 月の順位は中央値を主にして、月末の順位を添える。毎月同じ方法で計算する
- 圏外は「計測範囲+1位」として計算し、そのことと圏外の日数を注記する。計測できなかった日は除いて日数を注記する
- 全体の動きは、順位の分布と上位10位以内の数で示す
- 百度搜索资源平台の表示回数・クリック数を添え、順位の変化が集客につながっているかを示す
- コメントは事実と推測を分け、次月の施策まで書く
SEOChinaでできること
SEOChina は、日本語で使える百度の順位チェックツールです。レポートのもとになる順位を、決まった条件で毎日記録できます。
- 登録したドメインとキーワードについて、百度PCの順位を毎日記録し、推移を表で確認できます。順位が付いたキーワードの推移はグラフでも確認できます
- 順位は50位まで取得し、ランクインしたURLも確認できます。期間を指定して表示することもできます
- Growth・Pro プランでは、日付・キーワード・順位・URL・ステータスなどをCSVファイルで書き出せるので、表計算ソフトで中央値や順位の分布を計算できます。ステータスの列で、圏外の日と計測できなかった日を見分けられます
- 複数のクライアントのサイトを扱う場合は、Growth プランで10ドメイン・日次順位監視100枠まで使えます
Free プランは無料で、1ドメイン・日次順位監視10枠(履歴30日保存)から始められます。前月との比較に使うなら、履歴を期間の制限なく保存できる有料プランが便利です。登録はこちらから行えます。
参考
- Semrush「Visibility(可視性)とは」: https://ja.semrush.com/kb/697-what-is-visibility
- Semrush「Position Tracking: Rankings Distribution」: https://it.semrush.com/kb/550-position-tracking-rankings-distribution
- Jademond「Baidu Search Performance Analysis」(2024年): https://www.jademond.com/magazine/baidu-search-performance-analysis/
- w3cschool(百度搜索资源平台の流量与关键词の説明): https://www.w3cschool.cn/seoer/seoer-flowkey.html
- SerpApi「Baidu Search Engine Results API」: https://serpapi.com/baidu-search-api
- SEO每天一贴(百度のリファラーから検索語がなくなった件、2015年): https://www.seozac.com/baidu/referer-keyword-gone/
- Search Engine Journal(百度のAI流量分析についての記事、2026年): https://searchenginejournal.com/baidu-now-measures-ai-citations-heres-what-seos-should-and-shouldnt-read-into-it/590276